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「短歌人」編集委員紹介

現在、「短歌人」には15名の編集委員がおります。
作品は、どの編集委員に送ってもよく、途中での変更も可能です。
誰に送るか悩んでいる方は、参考になさってみて下さい。

なお、編集委員の略歴やメッセージは、各編集委員が書いた原稿をそのまま掲載しています。

​宇田川寛之

1970(昭和45)年、東京都北区生まれ。

1991(平成3)年、「短歌人」入会。

2005(平成17)年より編集委員。

2017(平成29)年、歌集『そらみみ』(いりの舎)刊。

 

自選作品

 鳥曇の午後はむやみにせつなかり敗戦処理の投手か我は     

 生まれたての風をまとひてたはむれる子のてのひらのさくらはなびら 

 無名なるわれは無名のまま果てむわづかばかりの悔いを残して

魚住めぐむ

​生沼義朗

1975(昭和50)年、東京都生まれ。

1993(平成5)年9月より作歌をはじめ、1994(平成6)年「短歌人」入会。

2007(平成19)年より2016(平成28)年まで会務委員、2017(平成29)年より編集委員。

歌集に『水は襤褸に』(第9回日本歌人クラブ新人賞)、『関係について』、

『空間』(第51回埼玉文芸賞準賞)、共著に『現代短歌最前線 新響十人』がある。

​

 自選作品

  ペリカンの死を見届ける予感して水禽園にひとり来ていつ

  センサーというものかなしみずからの意に関せずに扉の開く

  真っ白な牛乳パックに牛乳は満たされており 苦しからずや

 

 編集委員からひとこと

  まずは短歌の器を使って書きたいものを書き、言いたいことを言いましょう。その上で、自分の言

 いたいことが読者に過不足なく通じているか、描写やものの見方にありきたりな点がないかをよく見

 つめ、表現を練りあげて下さい。表現活動はつまるところ、その繰り返しです。

  わからないことは何でも気軽に聞いて下さい。あなた自身の判断を尊重します。その判断材料はつ

 ねに提供できるようにしています。

加藤隆枝

1961(昭和36)年、秋田生まれ

1980(昭和55)年、短歌人入会。2020(令和2)年より編集委員。

 

歌集『ふりむくな顔』(1980年  牧羊社)

  『飛びたる鳥がどこまでも』(1994年  本阿弥書店)日本歌人クラブ東北ブロック優良歌集賞受賞

  『さくらあかり』(2010年  砂子屋書房)

  『ハングルの森』(2019年  六花書林)

 

自選作品

       耐えがたく君の視線に横顔をさらしておりぬふりむくな顔

       炎天下 飛びたる鳥がどこまでも影を曳く自由または不自由

    どこまでもさくらあかりの細道を異界の人にひかれて歩む

    隣国は寄せては返す波のごと近づきしのちまた遠ざかる  

 

 編集委員からひとこと

     自分とは傾向の異なる作品であっても、いいものはいい。それぞれのスタイルを認め合う短歌人だから、自由にのびのびと作歌できます。

​菊池孝彦

1962年(昭和37年)東京都生まれ。1989年(平成元年)「短歌人」入会。

2014年(平成26年)より「短歌人」編集委員。

歌集は『声霜』(六花書林)、『まなざさる』(六花書林)、『彼の麦束』(六花書林)の三冊。

このうち『声霜』と『彼の麦束』は旧仮名定型、『まなざさる』は新仮名自由律で制作した。日本語と短歌との関わりを精神分析の視点から考察した短歌評論にも注力している。作歌と歌論においては常に原理原則に忠実な立場を堅持している。座右の銘は「紅旗征戎吾事ニ非ズ」。

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 自選作品

  空のどこかで空に渇けば鳥たちはうたふ その明るさのただなか(『声霜』)

  「われおもふゆゑにきみあり」ゆふぞらにセスナとグライダー繋がつて(『声霜』)

  帰らんとする者さまよいはじめる者ありて今が夕暮れ時ぞ(『まなざさる』)

  空はまだあかるいけれど足元はもう暗く 飛・べ、きみのふくろふ(『彼の麦束』)

  風やみて風におくれし花びらはなほとどまれりわが中空(なかぞら)に(『彼の麦束』)

​

 編集委員からひとこと

 「短歌人」は小宮良太郎、髙瀬一誌、蒔田さくら子を始めとする先達が築いた伝統を基盤に、権威主

 義的にならない自由な活動の場を発展させてまいりました。こうした運営方針を堅持するために私は

 尽力したいと思っています。私たちの活動の伝統と理念に共鳴する方々の参加を心よりお待ちしてい

 ます。

桑原憂太郎

1971年(昭和46年)、北海道旭川市生まれ。

2011年(平成23年)、「短歌人」入会。

2014年(平成26年)、第1歌集『ドント・ルック・バック』で、第29回北海道新聞短歌賞受賞。

2022年(令和4年)、第40回現代短歌評論賞受賞。

2024年(令和6年)、第1評論集『現代短歌の行方』刊行。

2026年(令和8年)より「短歌人」編集委員。

 

 

自選作品

寒い日に家の電話に猫用の布団を掛けてあげてたことも

人生が終わった気分になったならカプースチンを聴けばいいのに

カヌレみたいでカヌレの建物と呼び合うようになった建物の前で

​斉藤斎藤

1972(昭和47)年、東京都生まれ。
2002(平成14)年、「短歌人」入会。2017(平成29)年より編集委員。
2003(平成15)年、第2回歌葉新人賞受賞。
歌集に『渡辺のわたし 新装版』(港の人)、『人の道、死ぬと町』(短歌研究社)。


 自選作品
  雨の県道あるいてゆけばなんでしょうぶちまけられてこれはのり弁
  撮ってたらそこまで来てあっという間で死ぬかと思ってほんとうに死ぬ
  低いほうにすこしながれて凍ってる わたしの本業は生きること


 編集委員からひとこと
 【選歌にあたって】私にとっていい歌とは、「ああ、このひとほんとにそう思ったんだなあ」と感じ

 られる歌です。①ほんとに思ってそうで完成度が高い。②ほんとに思ってそうでまあ出来てる。

 ③そんなに思ってなさそうで完成度は高い。の順で選歌します。だから選ばれなかった歌も、

 ほんとうにそう思ったのなら、大切にしてくださいね。

​斎藤典子

1950(昭和25)年生まれ。

1970(昭和45)年短歌人会入会、2001(平成13)年より編集委員。

歌集に、

『ジャズ祭』(1985年 短歌新聞社)

『真弓』(1996年 ながらみ書房)

『サイレントピアノ』(2002年 青磁社)

『季節』(2012年 砂子屋書房)

​

 自選作品

  文頭に「白露の候」と書き出せばおのづと文字は端正となる

  秋冷に花茗荷摘む行ひの小さきゆゑに確かなること

  耳聡くひとの声音の変りたるに気づきてゐたり白露の朝は

  秋日和九十八歳の裸身にやはらかき湯を注ぎてゐたり

  「末法」の世にある愉楽と思はするあやふさとして弥勒の微笑

​

 編集委員からひとこと

  ことばとこころを大切に。

 

勺禰子

鶴田伊津

砺波湊

​藤原龍一郎

1952(昭和27)年1月18日、福岡生。
十九歳の頃に中井英夫『黒衣の短歌史』を読み、作歌を始める。
学生時代、早稲田短歌会、早稲田ミステリクラブに在籍。
早稲田ミステリクラブで故仙波龍英と知り合う。
1972(昭和47)年、「短歌人」入会。1990(平成2)年、短歌人賞受賞。

1990(平成2)年、第33回短歌研究新人賞受賞。歌集に『東京哀傷歌』、『ジャダ』他。

​

 自選作品
  ああ夕陽 あしたのジョーの明日さえすでにはるけき昨日とならば
  プラタナス濡らして夜の雨が降る濡れたきものは濡らしてやれよ
  世界終末時計はすすむ酷熱の五輪寒雨の学徒出陣

​

 編集委員からひとこと
  短歌はマラソンです。瞬発力勝負ではなく、持続の意志と力が大切。

​本多 稜

1967年 浜松生まれ。
1999年「短歌人」入会。

歌集:『蒼の重力』、『游子』、『こどもたんか』、『惑』、『六調』。

受賞歴:第9回歌壇賞、第48回現代歌人協会賞、第13回寺山修司短歌賞。

自選作品
 蒼穹に重力あるを登攀のまつ逆さまに落ちゆくこころ

 数億年ひかりと水は待ちまちて今わが前に娘在らしむ

 シメコロシノキに覆はれて死んでゆく木の僅かなる樹皮に触れたり

編集委員からひとこと
  歌を通して経験や価値観を共有することができます。その喜びや苦しみを分かち合う場所の一つが 

 短歌人です。歌を作ることによって己を高めることもできるでしょう。そしてその研鑽の場が短歌人

 なのです。

​

三島麻亜子

1959(昭和34)年、滋賀県生まれ。現在、岐阜県郡上市在住。

2004(平成16)年、「短歌人」入会。

2014(平成26)年、歌集『水庭』(六花書林)刊。

2020(令和2)年より編集委員。  

 

自選作品 ※カッコ内はルビ

 サイレントモードに呼ばれ立つときの雨のつづきのやうな水庭

 袋路の闇よりいでて踊り下駄 をどりの輪へと鎖(つな)がれてゆく     

 茄子紺をほこる古布展まだなにか始められるとしたら片恋

 待つといふ贅をするなり落ち鮎の太きを炭にいぶしつつ焼く

 ブラウスは弱き日差しを集めゐてダム湖官舎の早陰る庭

 

編集委員からひとこと

「短歌人」は、今を生きる人の学びの場・発表の場であると同時に、過去の蓄積と未来への可能性に立ち会える非日常な場でもあります。表現の喜び、創作の喜びを共に味わいましょう。

村田 馨

1966年 東京と生まれ。
1999年「短歌人」入会。

歌集:『疾風の囁き』。


自選作品

編集委員からひとこと
  楽しく歌を作りましょう
。そして大いに語りましょう。

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